子供が「舌が痛い」と言い出し、口の中を見てみてぎょっとすることがあります。舌全体が真っ赤に腫れ上がり、表面にブツブツとした粒子が浮き出て、まるで熟れたイチゴのようになっている。これは「イチゴ舌」と呼ばれる特徴的な症状で、主に「溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)」という細菌感染によって引き起こされます。子供、特に幼稚園から小学校低学年の間で流行しやすい病気ですが、親御さんがこのサインを知っているかどうかで、その後の対応の早さが変わってきます。溶連菌感染症の初期症状は、38度〜39度の発熱と喉の痛みです。この時点では普通の風邪と区別がつきにくいのですが、発症から数日経つと、舌に変化が現れます。最初は舌に白い苔のようなものがついた「白イチゴ」の状態になり、それが剥がれ落ちると、下から真っ赤な地肌と腫れた乳頭が現れ、鮮やかな「赤イチゴ」の状態になります。この時、舌は非常に敏感になっており、ピリピリとした痛みや、酸味のある食べ物がしみるなどの不快感を伴います。また、体や手足に小さく赤い発疹が出ることもあります。もしお子さんの舌がイチゴのようになっていたら、すぐに小児科を受診してください。溶連菌は細菌なので、抗生物質が非常によく効きます。薬を飲めば、熱は1〜2日で下がり、喉や舌の痛みも速やかに改善します。しかし、ここで一番重要なのは、「処方された抗生物質は、症状が消えても最後まで飲みきること」です。溶連菌はしぶとい菌で、中途半端に治療をやめると体内に菌が残り、リウマチ熱や急性糸球体腎炎といった重大な合併症を引き起こすリスクがあるからです。舌が綺麗になったからといって油断せず、医師の指示通りに服薬を完了させることが、子供の将来の健康を守ることに繋がります。イチゴ舌を起こす病気は溶連菌だけではありません。「川崎病」という全身の血管に炎症が起きる病気でも、同様のイチゴ舌が見られます。川崎病の場合は、高熱が5日以上続く、両目が充血する、唇が赤くただれる、手足が硬く腫れる、首のリンパ節が腫れるといった他の症状がセットで現れることが多いです。こちらは心臓の血管に後遺症を残す可能性があるため、緊急の入院治療が必要です。溶連菌の薬を飲んでも熱が下がらず、舌の赤みが続く場合は、すぐに再受診して川崎病の可能性がないか確認してもらう必要があります。家庭でのケアとしては、舌がピリピリして痛がるため、食事への配慮が必要です。熱いもの、辛いもの、酸っぱいもの(オレンジジュースやトマトなど)は避け、喉越しの良いゼリー、プリン、冷ましたおかゆ、うどんなどを与えましょう。イチゴ舌は見た目のインパクトが強く、親御さんも驚いてしまうかもしれませんが、適切な治療を受ければ綺麗に治る症状です。子供の舌は健康のバロメーター。毎日の歯磨きの仕上げ磨きの際に、「今日の舌は何色かな?」とチェックする習慣を持つと、こうした感染症のサインをいち早くキャッチできるかもしれません。
子供の舌がイチゴのように赤くなる感染症