「口内炎くらいで病院に行くなんて大げさかな?」と躊躇する人は多いですが、結論から言えば、口内炎こそ病院で診てもらうべき疾患の筆頭です。特に、市販薬を使ってもなかなか治らない巨大な口内炎は、専門的な治療が必要なサインである可能性が高いのです。我慢して自然治癒を待つよりも、一度の受診で劇的に楽になることもありますし、何より背後に隠れた重大なリスクを除外することができます。では、具体的にどのような状態になったら病院へ急ぐべきなのでしょうか。受診の目安となる「危険なサイン」を整理します。第一の基準は「大きさ」と「数」です。直径が10mm(1cm)を超えるような口内炎は、医学的にも「重症」の部類に入ります。ここまで大きくなると、塗り薬などのセルフケアだけで治すのは困難であり、治癒までに長い時間がかかってしまいます。また、一度に3個も4個も多発している場合や、口の中全体が赤く腫れているような場合も、ウイルス性口内炎(ヘルペス性歯肉口内炎など)の可能性があり、抗ウイルス薬が必要になります。大きさや数が「いつもと違う」と感じたら、それは病院に行くべきタイミングです。第二の基準は「期間」です。通常のアフタ性口内炎であれば、発生から1週間をピークに、2週間以内には治癒します。もし2週間経っても治る気配がない、あるいは1ヶ月以上も同じ場所に潰瘍が居座っている場合は、赤信号です。これは単なる口内炎ではなく、口腔がんの前癌病変や、自己免疫疾患の症状である可能性があります。「そのうち治るだろう」という楽観視が、取り返しのつかない事態を招くことがあります。期間の目安は「2週間」と覚えておいてください。第三の基準は「全身症状の有無」です。口内炎だけでなく、38度以上の発熱がある、全身がだるい、リンパ節が腫れて痛む、皮膚に発疹が出ているといった症状を伴う場合、それは口の中だけの問題ではありません。手足口病やヘルパンギーナといったウイルス感染症、あるいはベーチェット病などの全身疾患が疑われます。特に高熱を伴う場合は、飲食ができずに脱水症状を起こすリスクもあるため、早急な医療介入が必要です。では、受診するなら何科が良いのでしょうか。最も専門性が高いのは「歯科口腔外科」です。口腔外科は口の中の外科処置や粘膜疾患のスペシャリストであり、必要であれば病理検査(組織を取って調べる検査)も行えます。街の一般的な歯科医院でも診てくれますが、粘膜の病気に詳しい先生かどうか事前に確認すると安心です。また、喉の奥に近い場所にできている場合や、扁桃腺の腫れがある場合は「耳鼻咽喉科」も守備範囲です。全身の症状(発熱や発疹)が強い場合は「内科」や「皮膚科」を選択肢に入れましょう。
病院へ急ぐべき危険な「でかい口内炎」のサインとは