口内炎が最大級に巨大化した夜、その痛みは筆舌に尽くしがたいものがあります。ズキズキとした拍動性の痛みが神経を逆なでし、枕に顔を埋めることすらためらわれ、唾を飲み込むたびに雷に打たれたような衝撃が走る。まさに地獄の苦しみです。「明日の朝イチで病院に行こう」と決意しても、今のこの痛みをどうにかしなければ一睡もできない。そんな絶体絶命の夜に、自宅にあるもので少しでも痛みを和らげ、眠りを確保するための応急処置テクニックを伝授します。あくまで対症療法ですが、この一夜を乗り切るための救命ボートとして役立ててください。まず即効性があるのは「患部を物理的に保護すること」です。巨大な口内炎が痛む最大の理由は、剥き出しになった神経に唾液や空気が触れたり、歯や舌が擦れたりすることによる刺激です。もし手元に市販の口内炎パッチがあればベストですが、ない場合は「軟膏」で代用します。口内炎用の軟膏がない場合、清潔なワセリンや蜂蜜(純度が高いもの)でも一時的な保護膜の代わりになります。特に蜂蜜は殺菌作用と保湿作用があり、古くから民間療法として用いられてきました。塗る際は、まずティッシュやガーゼで患部の唾液を軽く拭き取ることが重要です。唾液がついたままだと何をつけてもすぐに流れてしまいます。水分を取った一瞬の隙に、たっぷりと厚めに塗布して蓋をしてしまいましょう。次に試したいのが「冷却」による麻痺効果です。氷のかけらを口に含み、患部の近くで溶かします。冷やすことで血管が収縮し、炎症によるズキズキとした痛みを一時的に麻痺させることができます。ただし、氷を直接患部に押し当て続けると、凍傷のような状態になり組織を傷つける恐れがあるので、あくまで「冷たい水で冷やす」イメージで行ってください。冷水でうがいをするだけでも、口の中の熱感が取れて少し楽になります。逆に、血行を良くしてしまう入浴や飲酒は、炎症を悪化させ痛みを増幅させるので、この夜は控えるのが鉄則です。痛みの原因となっている「口腔内細菌」を減らすことも重要です。とは言っても、アルコール成分の強い洗口液(リステリンなど)は刺激が強すぎて激痛を招くためNGです。おすすめなのは、人肌程度のぬるま湯に塩を溶かした「生理食塩水に近い塩水」でのうがいです。塩分濃度を体液に近づける(コップ1杯の水にティッシュスプーン半分程度の塩)ことで、沁みることなく優しく洗浄でき、殺菌効果も期待できます。口の中を清潔に保つことは、痛みの軽減だけでなく、治癒を早めるためにも不可欠です。そして、最終手段としての鎮痛剤(痛み止め)の服用です。頭痛薬や生理痛薬として常備しているロキソニンやイブプロフェンなどの解熱鎮痛剤は、口内炎の痛みにも一定の効果があります。炎症を抑える作用があるため、腫れや熱感を鎮めてくれるでしょう。「口内炎くらいで薬を飲むなんて」と躊躇するかもしれませんが、睡眠不足は免疫力を下げ、口内炎の治りをさらに遅くする最大の敵です。薬の力を借りてでもしっかりと眠ることが、結果として最短の治療になります。