死ぬまでに一度は訪れたい世界の歯医者16ヶ所

医療
  • 食事も会話もままならない激痛との戦い方

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    舌の下に口内炎ができると、日常生活の質(QOL)は劇的に低下します。「痛くて喋れない」「痛くて食べられない」という二重の苦しみは、精神的にも大きなストレスとなります。舌を持ち上げる筋肉(舌骨舌筋など)が収縮するたびに、炎症を起こしている部分が引き攣れるように痛み、また、唾液が出るだけで酸がしみるように痛むこともあります。このどうしようもない痛みを抱えながら、どのようにして数日間を乗り切ればよいのでしょうか。少しでも苦痛を和らげるための具体的な生活術と対処法を提案します。まず食事についてですが、この時期ばかりは「栄養バランス」よりも「刺激のなさ」を最優先に考えるべきです。絶対に避けるべきは、酸味、辛味、熱さ、そして硬さです。柑橘系のジュースやトマトソース、カレー、熱いスープ、フランスパンなどは、患部を直接攻撃する拷問器具と同じです。おすすめなのは、冷めたお粥、豆腐、茶碗蒸し、ゼリー、プリンといった、噛む必要がほとんどなく、喉越しの良いメニューです。「噛む」という動作は舌を激しく動かすため、できるだけ舌を使わずに飲み込める流動食に近いものが理想的です。また、ストローを使うのも一つの手ですが、吸い込む動作が舌の裏に陰圧をかけ、痛みを誘発することもあるため、慎重に試す必要があります。口の奥へ直接流し込むようにすると、患部に触れずに水分補給ができます。会話に関しては、極力「沈黙療法」を決め込むのが一番ですが、仕事などでどうしても話さなければならない場面もあるでしょう。その場合は、舌を大きく動かさずに話す「腹話術」のような発声法を意識します。口を大きく開けず、舌先を下顎の歯茎に軽くつけたまま、唇の動きだけでボソボソと話すイメージです。滑舌は悪くなりますが、舌の根元を動かさないことで痛みは最小限に抑えられます。周囲には「口内炎がひどくて」と正直に伝え、筆談やスマホのメモ機能を活用するのも賢い選択です。無理をしてハキハキ喋ろうとすると、患部が歯に擦れて悪化する一方です。痛みのコントロールには、市販薬を賢く使い分ける必要があります。舌の下は唾液が多く軟膏が留まりにくいため、ステロイド成分の入った「貼るタイプ(パッチ)」を使用する場合は、貼る直前にティッシュで患部の唾液を完全に拭き取ることが成功の鍵です。乾いた一瞬の隙に貼り付け、数分間は口を閉じて指で押さえ、完全に密着させます。もしパッチが難しければ、スプレータイプの薬も有効です。また、痛みが強すぎて眠れないような時は、迷わず鎮痛剤(ロキソニンやイブプロフェンなど)を服用しましょう。口内炎で痛み止めを飲むことに抵抗がある人もいますが、睡眠不足は免疫力を下げ、治りを遅くする最大の敵です。薬の力を借りてしっかりと体を休めることが、結果的に最短の治療となります。さらに、口の中を清潔に保つことも重要ですが、刺激の強いアルコール系の洗口液はNGです。生理食塩水(水に少量の塩を溶かしたもの)や、アズレン配合の低刺激なうがい薬を使って、優しくゆすぐ程度に留めましょう。