死ぬまでに一度は訪れたい世界の歯医者16ヶ所

2026年1月
  • ブリッジの下で進行する見えない虫歯の恐怖

    知識

    「ブリッジを入れた歯がなんとなく痛いけれど、見た目は白いし、被せ物も取れていないから大丈夫だろう」。そう思って放置しているとしたら、それは非常に危険な賭けかもしれません。ブリッジ治療を受けた後に発生するトラブルの中で、最も恐ろしく、かつ発見が遅れがちなのが「二次カリエス」、つまり被せ物の下で進行する虫歯です。ブリッジは構造上、失った歯の両隣の歯を削って被せ物で繋いでいますが、この連結部分や歯茎との境目は非常に複雑な形状をしており、通常の歯ブラシだけでは汚れを完全に落とすことが困難です。その死角こそが、虫歯菌の格好の隠れ家となるのです。特に注意が必要なのは、神経を抜いて土台にしている歯です。神経がある歯であれば、虫歯が進行して象牙質に達した段階で「しみる」「痛い」といった警告信号を出してくれます。しかし、以前の治療で神経を抜いている場合、その歯は痛みを感じるセンサーを失っています。そのため、ブリッジの下で虫歯が進行し、土台の歯がドロドロに溶かされていても、全く気づかないというホラーのような事態が起こり得ます。ある日突然、硬いものを噛んだ拍子に「バキッ」という音とともにブリッジが根元から折れたり、歯茎が腫れて膿が出てきたりして初めて異変に気づくのです。この段階まで進行してしまうと、もはや治療の施しようがなく、土台の歯を抜歯せざるを得ないケースが後を絶ちません。1本失った歯を補うためのブリッジだったはずが、結果として土台の2本も失い、計3本の欠損となってしまう。これがブリッジのドミノ倒しとも呼ばれる最悪のシナリオです。神経が残っている歯であっても油断はできません。ブリッジはセメントで強固に接着されていますが、長年の使用による噛む力や、熱いもの・冷たいものによる温度変化で金属が膨張・収縮を繰り返し、セメントが徐々に溶け出していくことがあります(ウォッシュアウト)。すると、被せ物と歯の間にミクロの隙間が生まれ、そこから唾液と共に虫歯菌が侵入します。外側からはぴったりと被さっているように見えても、内部では虫歯が広がり、空洞化していることがあります。この場合、なんとなく噛むと違和感がある、甘いものがしみるといった症状が出ることがありますが、ブリッジ全体が繋がっているため、決定的な痛みとして認識しづらいのが難点です。このような「見えない虫歯」を防ぐためには、定期的な歯科検診とレントゲン撮影が不可欠です。目視では確認できない被せ物の下の状態も、レントゲンであればある程度把握することができます。また、歯科医師や歯科衛生士による探針(先が尖った器具)でのチェックで、被せ物の縁に段差や隙間ができていないかを確認することも重要です。そして何より、家庭でのケアに「スーパーフロス」や「歯間ブラシ」を取り入れることです。ブリッジのダミーの歯(ポンティック)の下や、土台の歯との連結部には、普通のフロスを通すことができません。