子供の舌の赤い斑点は要注意の病気かも
子供の舌に赤い斑点ができているのを見つけると、親としてはとても心配になるものです。大人の場合とは異なり、子供の舌の赤い斑点は、特定の感染症のサインである可能性があり、注意深い観察と適切な対応が求められます。まず、特に注意が必要なのが「溶連菌感染症」です。これは、溶血性連鎖球菌という細菌に感染することで起こり、主に喉に感染して咽頭炎や扁桃炎を引き起こします。その特徴的な症状の一つが「いちご舌」です。発症初期は舌に白い苔がつきますが、二日から四日後くらいにその苔が剥がれ、舌の表面の乳頭が赤く腫れ上がって、まるでイチゴの表面のようにブツブツとした見た目になります。高熱や喉の強い痛み、全身の発疹などを伴うことが多く、この場合は速やかに小児科を受診する必要があります。放置するとリウマチ熱や腎炎といった合併症を引き起こす可能性があるため、抗生物質による確実な治療が不可欠です。次に、夏場に流行しやすいのが「手足口病」です。これはウイルス感染症で、その名の通り、手のひら、足の裏や甲、そして口の中に水ぶくれを伴う発疹が現れます。舌にも赤い斑点や小さな水疱、口内炎ができ、痛みで食事や水分が摂りにくくなることがあります。特効薬はなく、対症療法が中心となりますが、脱水症状には注意が必要です。その他、前述の「地図状舌」も子供によく見られる症状です。日によって模様が変わるのが特徴で、これは病気ではないので心配いりません。子供の舌に赤い斑点を見つけたら、まずは慌てずに、舌以外の症状、特に熱や喉の痛み、発疹がないかをよく観察してください。そして、少しでも気になる点があれば、自己判断せずにかかりつけの小児科医に相談することが最も安心です。