親知らずの腫れを根本的に解決するために、いよいよ抜歯を決意した。しかし、次に気になるのが、「抜歯した後、どれくらい腫れるのか」「その腫れは、いつまで続くのか」という、術後の経過への不安でしょう。抜歯後の腫れの程度や期間は、抜歯した親知らずの状態や、個人の体質によって大きく異なりますが、一般的なピークと経過を知っておくことで、心の準備ができます。まず、大前提として、抜歯後の腫れは、体の正常な「治癒反応(炎症反応)」の一部です。歯を抜くという行為は、小さな手術であり、歯茎や顎の骨に、ある程度のダメージ(侵襲)が加わります。そのダメージを修復しようと、患部に血液やリンパ液が集まってくることで、腫れや痛み、熱感が生じるのです。腫れのピークは、一般的に「抜歯後48時間から72時間(2〜3日後)」に迎えることが多いです。抜歯当日は、まだそれほど腫れていなくても、翌朝起きたら顔がパンパンに腫れていた、というケースが典型的なパターンです。この時期が、見た目にも、そして痛みとしても、最も辛い期間となります。腫れの程度は、抜歯の難易度に大きく左右されます。例えば、上の親知らずで、まっすぐに生えていて、スポンと簡単に抜けたような場合は、ほとんど腫れないか、わずかに腫れる程度で済むことがほとんどです。一方、下の親知らずで、歯茎に埋まっていたり、横向きに生えていたりして、歯茎を切開したり、骨を削ったりする必要があった「難抜歯」の場合は、腫れも大きくなる傾向があります。ピークを過ぎた後は、腫れは徐々に引いていきます。大きな腫れは、おおよそ「抜歯後1週間程度」で、見た目にはほとんど分からないレベルまで落ち着くのが一般的です。ただし、内出血によって、頬にあざ(紫色から黄色に変化していく)ができることもありますが、これも時間と共に自然に消えていきます。完全に腫れが引き、口の開けにくさなどが解消されるまでには、2週間程度かかることもあります。この期間を少しでも楽に乗り切るためには、抜歯後の注意事項(安静、冷却、禁煙、禁酒など)をしっかりと守ることが、何よりも重要です。
抜歯後の腫れはいつまで続く?ピークと経過