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親知らずが腫れた時の食事。痛みを和らげる工夫
親知らずが腫れて痛む時、食事はまさに苦行となります。口を開けるのも辛く、食べ物を噛むと激痛が走り、食欲も湧かないかもしれません。しかし、体力を消耗しているこんな時こそ、しっかりと栄養を摂ることが、免疫力を高め、回復を早めるためには不可欠です。痛みをできるだけ和らげ、少しでも楽に食事をするための、いくつかの工夫と、おすすめのメニューを紹介します。食事の工夫の基本は、「患部を刺激しない」ことと、「あまり噛まなくても食べられる」ことです。まず、避けるべき食べ物として、唐辛子などの「香辛料を多く使った刺激的な料理」や、レモンやお酢などの「酸味の強いもの」が挙げられます。これらは、炎症を起こしている歯茎を直接刺激し、痛みを増強させます。また、せんべいやナッツ、硬い肉などの「硬い食べ物」は、噛むこと自体が痛みにつながるだけでなく、砕けた破片が親知らずの隙間に入り込み、症状を悪化させる原因となります。ラーメンやパスタなどの麺類も、すする動作が傷口に負担をかけることがあるため、注意が必要です。では、どのような食事がおすすめなのでしょうか。基本は、柔らかく、栄養価が高く、喉越しの良いものです。主食:おかゆ、雑炊、おじや、よく煮込んだうどんなど。これらに、溶き卵や、細かく刻んだ野菜、鶏のささみなどを加えると、栄養バランスが向上します。主菜:豆腐(冷奴、湯豆腐)、茶碗蒸し、卵豆腐、白身魚の煮付け、鶏ひき肉を使ったあんかけなどが、タンパク質を手軽に補給できておすすめです。副菜・その他:野菜をじっくり煮込んだポタージュスープや、カボチャの煮物、じゃがいもを潰したポテトサラダ(マヨネーズ控えめ)なども良いでしょう。デザート・間食:栄養補助ゼリー(ウィダーインゼリーなど)、プリン、ヨーグルト、バナナを潰したもの、アイスクリームなども、手軽なエネルギー源となります。食事をする際は、痛くない反対側の歯で、ゆっくりと噛むようにしましょう。また、熱すぎるものや冷たすぎるものは、しみることがあるため、人肌程度の温度に冷ましてから食べるのがポイントです。水分補給も重要ですが、ストローを使うと口の中に陰圧がかかり、抜歯後の場合は血餅が剥がれるリスクがあるため、コップから直接飲むようにしてください。食事の工夫で、辛い時期を上手に乗り切りましょう。