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2025年11月
  • 健康な歯茎の色とは?ピンク色が理想とされる理由

    医療

    毎日の歯磨きの際に、鏡で自分の歯茎の色をじっくりと観察したことはありますか。実は、歯茎の色は、口の中だけでなく、体全体の健康状態を映し出す重要な「バロメーター」です。健康的で理想的な歯茎の色は、一般的に「薄いピンク色」または「コーラルピンク」と言われています。では、なぜこのピンク色が健康の証なのでしょうか。その理由を理解することは、歯茎からのSOSサインを早期に発見するために非常に重要です。歯茎(歯肉)は、粘膜で覆われた柔らかい組織ですが、その内部には無数の毛細血管が網の目のように張り巡らされています。私たちが目にする歯茎の色は、この粘膜を通して透けて見える、血液の色なのです。健康な歯茎がきれいなピンク色をしているのは、血行が良好で、新鮮で酸素をたっぷり含んだ血液(動脈血)が、スムーズに流れている証拠です。血液中のヘモグロビンが酸素と結びつくと、鮮やかな赤色になりますが、それが粘膜のフィルターを通して、淡いピンク色に見えるのです。また、健康な歯茎は、ただ色がピンクなだけでなく、いくつかの特徴を併せ持っています。まず、歯と歯の間の歯茎が、引き締まった三角形の形(スティップリング)をしており、歯にぴったりと密着しています。表面には、みかんの皮のような、細かいプツプツとしたへこみが見られることもあり、これも健康なサインの一つです。そして、歯磨きをしても、簡単に出血することはありません。もし、あなたの歯茎がこの理想的なピンク色をしているなら、それは日々のオーラルケアが適切に行われ、歯周組織が健康に保たれている証拠と言えるでしょう。しかし、このピンク色が失われ、赤くなったり、白っぽくなったり、あるいは黒ずんできたりした場合は、何らかのトラブルが起きているサインかもしれません。歯茎の色は、言葉を発しない口の中の小さな医者のようなもの。その日の色をチェックする習慣をつけることが、歯周病やその他の病気を早期に発見し、あなたの歯と体の健康を守るための、最も手軽で効果的な第一歩となるのです。